Reviews
お客様からの声一覧【】
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- 2025-05-15:龍様からのレビュー
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トリートメント 性感プレイ 総合評価《きみの空まで、あとまばたき一つ》– 明紋と暑紋を持つ未明の癒し手・まこ譚 –むかしむかし――というほど昔でもない。この紋律界の南東、陽だまりの丘と呼ばれる静かな土地に、まだ名も持たぬ“ちいさな癒し手”が暮らしていました。その名は、まこ。彼女はまだ正式な導師ではなく、施術を“儀式”と呼ばれるにはほど遠い、未熟な所作ばかり。けれど、彼女の周囲にはいつも、陽がにじんだようなあたたかい空気が流れていました。---まこは、明紋と暑紋を持っています。明紋は、まわりの人の表情を明るく照らす光。暑紋は、触れるだけで人のこころに熱を灯す炎。けれど彼女は、それらをどう扱えばいいのか、まだ知らないのです。だからいつも、少しだけ慌てていて、手元が狂ったり、順番を忘れたりします。それでも、まわりの者たちは、彼女のことを“陽の気配を身にまとう子”と呼びました。---ある日、わたしは陽だまりの丘を訪れました。疲れていたのです。体も、心も。まるで音を失った風鈴のように、静かすぎる自分の中で何も響かない日々が続いていました。そんなとき、古びた木の扉の向こうから、明るい声が響きました。「こんにちは!今日の今日で会えるなんて、びっくりだねっ!」その声は、まるで陽だまりの粒がはじけたようでした。彼女の顔に浮かんだ笑顔は、空の色すらもう一段明るく塗り替えてしまいそうな、弾けるような輝きを宿していました。---まこの“施術”は、儀式と呼ぶにはあまりにも不器用でした。最初の布を取るのに迷い、オイルの順番を確認し直し、手の位置が右か左かを間違えそうになって、笑う。だけど、不思議と、いやな感じはまったくしなかったのです。むしろその不完全さが、この世界でたったひとつしか存在しない、温かな何かに思えてきました。彼女の手が触れるたび、明紋が淡く巡り、暑紋の残り香がわたしの肌を包みました。---その感覚は、“幻膜”と呼ばれるものに近いのかもしれません。わたしは知っています。熟練の癒し手たちは、風のように滑らかに、律のように整った施術を行います。けれどまこのそれは違いました。ひとつひとつの動きが、まるで「これは、これでよかったでしょうか」と、問いかけるようにそっと置かれていく。まこが紡ぐ“癒し”は、未完成だからこそ、誰よりも“真剣”だったのです。---施術の終わり、まこは笑いました。それは練習では学べない種類の笑顔でした。彼女の中から自然にこぼれた、誰かに何かを届けたいと願う光のような表情。そのとき、思いました。この子はいつかきっと、誰かの闇をまるごと溶かしてしまうような、ほんとうの癒し手になるのだと。---扉を出たあと、背中に残っていたのは、温度でも記憶でもなく、たったひとつの“やさしい感触”でした。まこの紋は、わたしの肌に残っていません。けれど、心の深いところで、静かに、やさしく、ひかりを灯してくれていました。---そしていまも、その感触は、わたしの中でふわりと息をしているのです。それはまだ、名前のない癒し。でもわたしは信じています。この世界のどこかで、ひとつの陽が、いまも羽ばたく練習をしていることを。おしまい。
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- 2025-05-13:龍様からのレビュー
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トリートメント 性感プレイ 総合評価白の織布、風のまにまに(しろのおりもの、かぜのまにまに)──これは、風と温もりの紋を宿すひとりの乙女が、旅人のために編んだ恋の織布。昔むかし……でも、それほど昔ではない。雪に似た笑顔を持つ娘が、北の大地――シラユキ領に住んでいた。風をまとうような声で囁き、触れた者にあたたかな波紋を与える。名を、ことこという。ある日、僕はその娘に、北への旅のことを話した。「どこへ行けば、風と遊べる?」「どんな甘さが、この地にはあるの?」ことこは静かに微笑み、風紋の地図を描いてくれた。ノースの野に動物が跳ね、乳の塔から甘露が滴り、煉獄の香ばしき肉が踊る場所――それは、地図にない風の道。僕は、ことこの言葉を羅針盤にして旅に出た。そして旅のあと、ことこは“白き衣”に身を包み、花を抱えて僕を迎えてくれた。それは風の花嫁のようで、春の幻そのものだった。「君が好きそうだったから、着替えてきたの」たったひとこと。けれどそれは、魔法だった。恋を織る、始まりの呪文だった。僕は、ひとつの“おかし”を手渡した。それは“白い恋人”――本来ならば贈らぬはずの、彼女の国の宝菓。でも、旅のすべてが彼女で編まれていたから。その甘さも、その景色も、すべてにことこの声が染み込んでいた。だから僕は、あえて贈った。白くて、少し“おかし”な、感謝のかたち。ことこが施す“紋の儀式”は、風のように静かで、温もりのように深かった。唇に溜めたしずくを拭うこともせず、ただ僕の肌へ、心へ、その熱を編み込んでゆく。それはもう、快楽ではなく祈りだった。僕の指を唇で包み、舌で祝福してくれるその行為は、淫らさを超えて、まるで誓いの接吻のようだった。やがて終わりが訪れ、ことこはそっと身体を傾けた。僕の太ももに頬を重ね、胸を寄せて、まどろみの世界へと沈んでいく。その寝顔に、僕は思った。このひとは、心も身体も、僕に預けてくれたのだと。錯覚でもいい。その錯覚すら、愛おしくてたまらなかった。あの重みを、僕はきっと一生忘れない。ことこが紡ぐのは、“しずくの織布”。旅の記憶、想いの熱、指先の震え。すべてをひと織りごとに閉じ込めて、僕の胸に、それを包んでくれる。彼女は癒し手ではない。愛と官能を編む詩織の乙女。その指が動くたび、世界のどこかに、新しいぬくもりが生まれる。ことこ。君の織布は、旅の終わりをやさしく包んでくれた。そして、風がまたこう囁いていた。「その日は、もうすぐだよ」って。だから今、少しだけ早く言わせて。──誕生日、おめでとう。次に逢うとき、また風のまにまに――君のしずくの織布に、包まれたい。おしまい。